英文契約

最近、英文契約セミナーの講師依頼を数多く頂戴しています。
それは何故でしょう?
直接には、当事務所の代表弁護士がセミナー講師(分野は、英文契約はもちろん、外資系企業事案を含む労働法、さらにクレーム対応まで)の経験が豊富で、セミナーのテーマや切り口もちょっとユニークだから聞いてみたい(?)、という理由もあるでしょう。
しかし、その背景には、次のような最近の企業環境と、当事務所が日頃行っている国際法務の蓄積があるものと存じます。


今や、中小企業であっても国際取引が増加しています。
そもそも、大企業を含め、もともとは国内系だった企業も、海外展開を図る必要性が急速に増しています。
思い切って国外に事業展開を図り、あるいは日本の会社と外国の会社で取引することは、その地域をアジアから欧米まで見渡せば、かなり一般的な現象になってきました。わずか数年前と異なり、これらの必要性や増加傾向は、もはや説明するまでもないほどでしょう。
しかし、これらの場合には、どの国の法律を適用するか(準拠法)、契約の使用言語をどれに定めるか(正文)等をはじめとして、国内取引では問題にすらならないことが正面から問題になってきます。しかも、日本法と外国法は法体系が異なるため、国内取引では見かけない条項や概念がありますし、法律用語や法概念も異なるので日本法や国内取引の場合と同様に理解してしまうと誤解になりかねません。

さらに、近年は、国内取引・国内契約であっても、顧客(あるいは労働者)に外国人を含むという形態により、(準拠法は日本法だとしても)日本語だけで契約書・通知等を作成したのでは足りない場合が日常化してきています。特に、B to C や都心で事業展開している業種・業態ではそうでしょう。日本の人口総数の2%弱、東京都や東海地方では3%前後、東京都の新宿区や港区では1割を、外国人(外国人登録人口)が占めるに至っているのですから、取引社会ないし市場においてはそれも自然な趨勢です。

以上のように、国際(クロスボーダー)的にも、そして実は国内的にも、外国企業や外国人との契約・取引等が増加しており、今後も増加は止まらないでしょう。これらの取引が今まで不要だったから今後も不要だとは、とても言えない状況です。

 

ところが、それにもかかわらず、社内に外国語(特に英語)と法律(少なくとも日本法)が両方分かる人材がいないため、みすみす潜在的なニーズを逸しているのではないでしょうか。

あるいは、契約締結時の社内検討は、単なる逐語的な翻訳(外部の翻訳業者か、社内の英語のみ分かる従業員に依頼)の作成にとどまり、内容的な検討には踏み込めず、相手方の出してきた契約書案を何となく丸呑みするようなプラクティスをしているのではないでしょうか。たとえ、時間的制約や取引上の力関係から結果的に相手方原案通りで締結せざるを得ない場合でも、どこに有利不利とリスクがあるのかを理解しておく必要はあります。

このように、攻めの意味でも守りの意味でも、英文契約書や通知等の文書は、社内に十分なスタッフがいないならば、きちんとその内容を外国語的・法的・ビジネス的に検討できる外部の弁護士による支援を受けて作成することをお勧めします。

また、それぞれの英文契約書等がどの程度重要か・複雑困難か・緊急性があるかは個別に異なるでしょうから、軽重をつけて検討する(させる)ことも経営上合理的な方法の1つでしょう。それらの事情に応じて個別(スポット)依頼で対応してくれる弁護士が確保できれば、それも一案です。あるいは、比較的細かいが継続的に契約案件がある場合や、緊急・柔軟に対応してもらいたいことが多い場合等には、弁護士を顧問弁護士として確保しておくのも適切でしょう。

 

当事務所の場合は、物品売買契約(Sales and Purchase Agreement)、 販売店契約(Distributorship/Reseller Agreement)・販売代理店契約(Agency Agreement)、ライセンス契約等の各契約類型、また、それらに関連する秘密保持契約(NDA)や予備的合意書(MOU/Letter of Intent)等について、あまり報酬額でお悩みいただかないよう、簡易に要点の検討や相手方案へのコメント作成を行うことを中心に、ご相談に応じています。

また、準拠法は日本法だが、使用言語・説明言語や参考訳として英語を必要とする、という事案にもご対応しています。
例えば、外国人(法人・個人)投資家(いわゆるインバウンド投資や、日本をハブとする国際間投資)や、在日外国人の方に対する法的支援等です。前者ですと、広く通常のM&Aのほか、倒産関連M&A(distressed M&A)等があり、例えば最近では、日・欧(ドイツ、マルタ)・北米(米国、カナダ)にまたがるクロスボーダーM&Aの日本におけるリーガルアドバイザーや代理人等を務めたりしております(トップページの、近時の取扱案件例でも触れています)。

また、これらは、労働法やコンプライアンスの問題と重なる場合も少なくありません。
例えば、外国人の雇用契約、外国人顧客への通知・案内等です。

 

なお、当初は必ずしも予定しておりませんでしたが、弁護士翻訳、又は(弁護士以外のパラリーガルや翻訳業者等が作成した)仮訳のレビューのご依頼もしばしばありましたため、通常の案件ご対応用の報酬基準ではなく、作成手数料扱いとして別レートの報酬基準でご対応しています。この場合、契約等の内容(当否のコメントや修正案の作成)には立ち入らないのが原則となります。また、英文和訳が原則となりますが、現状では、社内規程や登記等の書面、日本法が準拠法の契約書等に限定して、和文英訳にもご対応しています。

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