法律事務所の名称は、個人名や所在地名によることも多いですが、当事務所の設立当時の名称である「なのはな国際法律事務所」の場合は、「なのはな」という、(代表弁護士が男性にしては)柔らかで親しみやすい(?)名称と、「国際」という、どの事務所でも付けているわけではない名称とから成っており、二重の意味でちょっと珍しい取り合わせかもしれません。

(実際、その取り合わせの妙を狙ったところも、ないわけではありませんが。)

そのためか、当事務所名の由来をよくお尋ねいただきましたので、こちらのページでご案内させていただくことにしました。

1 「なのはな」:事務所設立の時期(場所)

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当事務所は、東京の皇居・旧江戸城の半蔵門に程近い、麹町にございます。 

当事務所を設立したのは2010年4月で、設立準備のヤマは同3月頃でしたが、その頃、皇居のお堀には、なのはなが満開でした。

その設立時期と場所にちなみ、また、毎年初心を忘れないように、という意味で、事務所名に「なのはな」を入れました。

2 「なのはな」:皆様のお役に立つ存在

その「なのはな」は、普段は人の心に安らぎを与え、また、いよいよという時にはその身を粉にして(油にして)、人のお役に立つ存在でもあります。 (ちなみに、最近の報道によれば、ウクライナでは「なのはな」は放射性物質をよく取り込んで土壌を再生してくれる植物として利用されているそうです…。)

3 「なのはな」と「国際」:司馬遼太郎『菜の花の沖』

以上は「なのはな」を事務所名とした一般的な理由ですが、実は、「なのはな」を「国際」と組み合わせて事務所名にしたのには、別の理由があります。

代表弁護士は必ずしも世に言う司馬ファンというわけではないのですが、作家の故司馬遼太郎が江戸時代で最も高く評価し、自らの筆で歴史小説『菜の花の沖』により取り上げて、再び昭和の世に出した人物に、高田屋嘉兵衛という江戸時代の人物がいます。

その前半生も、一介の地方商人から豪商にたたき上げ、また後には当時の蝦夷地函館や北方航路の開発に尽力するなど公的見識にも富む、という経済小説ばりの人生でしたが、彼が真にユニークな存在として歴史に名を残したのは別のところです。

ゴローニン(ゴロヴニン)事件という日露間の国際紛争を、報復措置としてロシア側に捕らえられた高田屋嘉兵衛が、極限状態にありながら民間人の単身で外交交渉により解決に導きました。しかも、その堂々としつつも親しみのある態度・識見により、いわば敵側であったロシア側から今日に至るまで尊敬を得て、カムチャッカにはその名前から取った山まである、という人物です。

代表弁護士も、このような人物に由来する名称を事務所名に与えることは、かつて大学・大学院時代に国際関係論という実践的学問に携わった弁護士として、また、個人で独立開業して弁護士人生の新しい出発をするにあたって、ふさわしいのではないかと考えた次第です。

そして、一見するとつながりのない「なのはな」と「国際」は、 国際紛争を個人の努力による公正な交渉によって平和的に解決したという歴史上の事件により、実は深く関連しているわけです。

4 「なのはな」:『菜の花』の島と家族

以上のような高田屋嘉兵衛は、代表弁護士自身との個人的接点はもちろん無いのですが、実は代表弁護士の妻のご先祖様(直系ではないようですが)に当たることが分かりました。

実際、 高田屋嘉兵衛は「菜の花の島」と呼ばれる淡路島の出身なのですが(小説『菜の花の沖』のタイトルの一部も、ここから取られています)、妻の親戚も淡路島の出身が多いです。

そこで、代表弁護士の家族への感謝の念をこめて、という理由も、ちょっぴり・こっそりと事務所名の由来になっています。

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